Windows 10で標準採用されたフォント、「Yu Gothic UI」についての感想
Microsoft Office 2010/2013 用游ゴシック 游明朝フォントパック
Word, Excel, PowerPoint などのOffice製品で、2013か2010を利用している場合は以下のサイトからダウンロードできます。Windows 10では導入不要です。
Download 游ゴシック 游明朝フォントパック from Official Microsoft Download Center
このフォントパックは下記の検証記事も併せてご覧いただけます。
2015年7月リリース時のWindowsをベースに書いております
2016年8月のWindows 10の更新(Windows 10, バージョン 1607)
一部改善されたようですが、この記事に記載のある部分については大きな変化が見られませんでしたので、触れられていません。
プレゼン資料
リリース履歴
Windows 10 バージョン 1607 向けの更新プログラム
2016 年 8 月 23 日 — KB3176934 (OS ビルド 14393.82)
"以下のような追加の問題に対処しました。"に"游ゴシック フォントのレンダリング"http://support.microsoft.com/ja-jp/help/12387/windows-10-update-history
2016年8月のWindows 10の更新(Windows 10, バージョン 1607)
一部改善されたようですが、この記事に記載のある部分については大きな変化が見られませんでしたので、触れられていません。
対象のバージョン
Windows 10, バージョン 1507をベースに書いております。このバージョンより新しいバージョンで改善する可能性があります。
「Yu Gothic UI」の前に学ぶ、「游ゴシック」と「Segoe UI」
游ゴシック (1.10) (ファイルバージョンは1.62、Windows 10のバージョンによって前後します)
おそらくノーマルな游ゴシック。
Seoge UI (5.53、Windows 10のバージョンによって前後します)
SegoeのUIフォント。Windows Vistaより標準採用されていますが、欧文フォントのため、日本語だと一部でしか目に見ることができません。
Yu Gothic UI (1.11)
游ゴシックのUIフォント。游ゴシックより全体的に縦に伸びている印象。英数字はSegoeベース。Windows 10より導入。
Segoeフォントとの関連性について、公式文書がありました
http://www.jiyu-kobo.co.jp/wp@test/wp-content/uploads/2016/04/compatibility_160325.pdf
見た目の考察
個人的には、以前のWindowsでもチラチラ見えることはありましたが、Segoeフォントがようやく日本語環境にも正式に採用されたとうれしく思っております。
ただ、「Yu Gothic UI」を採用するうえで、いくつか問題点があることも見逃せません。
日本語環境におけるWindowsのフォント
歴代のWindowsを代表するUIフォントといえば、「MS UI Gothic」「Meiryo UI」などがあげられます。
ディスプレイの高解像度化・流行などにより、これらのフォントが登場・改良されていきました。
「游ゴシック」の採用
今まではよくても、高解像度化するうえで、見た目に問題がでてきたり使いづらくなってしまうことはあります。フルHDは当たりまえ、今後は4kも一般に浸透していく中で、今現状のPC環境は高解像度対応は必須です。
Windows 8よりはるか前にリリースされたWindows Phone 7で採用された「Yu Gothic」は、見た目にも美しい仕上がりとなっております。
当時の記事: Windows PhoneやWindows 8.1から標準搭載された游ゴシックとは - しがないエンジニアのメモ
正式リリースされるまでに目立っていた問題点
何に問題あるかというと、実際に描画された時の品質の話になります。
Meiryo UIはたとえば「で」の一画目が横一直線なのでディスプレイ違和感はありませんが、バージョン 1511より前のWindows 10において「Yu Gothic UI」では斜めとなっていました。このような見た目の違和感は、Microsoftがフィードバックを受け、今後のリリースで改善していくようです。
Yu Gothic UI (1.00, Windows 10 ビルド10061の時)
Yu Gothic UI (1.11, Windows 10, バージョン 1511)
Meiryo UI (6.20, Windows 10, バージョン 1511)
「で」のクオリティが低い!と一文字を指しているのあくまで例です。
ここで上記を見ていただくとお分かりいただけように、游ゴシックの場合ですと非常にジャギーが目立ちます。
高解像度化を見越しての採用、"タブレット"を見越したスタート画面の二の舞いにならないか?
このジャギーは印刷物や高解像度の環境では問題になりませんが、Windows標準の画面解像度である96dpiの環境ですと目につきます。
事務業務などで96dpi環境を使用しているところも少なくなくありません。
この問題は游ゴシックに限った話ではなく、Windowsのフォントレンダリング自体の問題となりますが、その問題点が「游ゴシック」の評価とされてしまわないか危惧しています。
ここまで長々と書いてきましたが、個人的には見た目が細身で美しいフォントが標準として採用されたことにうれしさを感じます。
今後、どのように変わっていくか楽しみです。