Windows PhoneやWindows 8.1から標準搭載された游ゴシックとは
有限会社字游工房(じゆうこうぼう)が販売するフォントになります。
Windows 8.1 より標準で搭載されたフォントは「游ゴシック」以外に「游明朝」がありますが、そのあたりは割愛します。
Windows Phone SDKとWindows 8.1に搭載される游ゴシックの差異
游ゴシックは Windows 8.1 に標準搭載されましたが、Windows Phoneでは現行のWindows Phone 8以前のWindows Phone 7.5より游ゴシックが搭載されていました。
Windows Phone 7.5の話を混ぜるとややこしいので、少し古いバージョンのお話になりますが詳しい話はこちらで。
ななふぉさんでも言及されていますが、Windows Phone向けの游ゴシックは「Yu Gothic」であり、Windows 8.1とWindows Phone 8で採用されている游ゴシックとは別物とされています。Windows Phone のフォントと言語構成のサポート などの表記もWindows Phone向けは「Yu Gothic」で統一されています。
バージョンの差異も、別物として扱っているので仕方ないですね。
「Yu Gothic」(Windows Phone SDKに搭載されている游ゴシック) のバージョン
バージョンは1.03。
レギュラーフォントのサイズは4.6MB。
スタイルはフォントとボールドのみ。
Windows 8.1に搭載されている「游ゴシック」のバージョン
バージョンは1.55。
レギュラーフォントのサイズは12.3MB。
スタイルはレギュラーとボールド、ライトウェイトもあります。
容量の差があるのは目に見えて明らかなわけですが、調査したわけではないので想像の話をします。
この容量の差は、おそらくヒンティングデータ がWindows Phone SDKに搭載されている游ゴシックだと無く、Windows 8.1に搭載されている游ゴシックだと入っているのかと思われます。
Phoneですと、画面の文字は割と大きく印刷に使用することもないですし、使用する保存領域や使用するメモリーを減らすために削減したと推測できます。
Yu Gothicの英数字のベースはSegoeフォント
あとは、フォントとしての見た目の話になります。
Yu Gothic, 1.03, レギュラー
游ゴシック, 1.55, レギュラー
Segoe WP, 1.10, 細字
上記画像の英数字を見ていただくとお分かりいただけますが、「游ゴシック」のみ「g」や「I」や「1」の形が違います。
当初「Yu Gothic」の英数字は「游ゴシック」と同等でしたが、Windows Phone, Windows OSとの親和性が高いSegoeフォントを含めたのかと思われます。
で、明らかな違いがあるとしつつも、フォント名を「Yu Gothic WP」などにしていただけなかったため、システム上共存ができません。
フォントの管理はファイル名とフォント名で管理しているので尚更です。
Windows 8.1には標準で「游ゴシック」と「游明朝」がインストールされている (Ver.1.55)
↓
Windows Phone SDKのインストールと同時にWindows Phoneに搭載されている「Yu Gothic」がインストールされる (Ver.1.03)
- で、何が言いたいかというと、見た目が変わるのでほかのPCとデータを共有したり、印刷物やディスプレイでの文字がつぶれるのが困るような環境であれば、「游ゴシック」 の方がいいってことになります。
ただし、Windows Phoneアプリを作っているときには逆のことが言えるので、BlendやVisual Studioを使う場合は「Yu Gothic」がよいということにも。
- 通常の開発には実機を使うのが一般的だと思いますので、後者は割と無視ができると思います。
- 環境に合わせてご利用ください。
Windows 8.1環境の游ゴシックについての調査メモ
システムの既定の言語が英語の環境に、游ゴシックは入っているのか
国内で販売されているWindows 8.1には日本語のみがインストールされていますが、今回実験の一環として Windows 8.1 Enterprise 64ビット版 (英語) を Hyper-V 環境にインストールを行って、確認してみました。
結論から申し上げますと入っていました。ホントは Microsoft Typography – Fonts and Products から確認したかったんですけども。。
日本語環境以外(?)では、既定で游ゴシックを見ることはできない
ワードパッドでみたんですが、出てきませんでした。
Windows側で用意されているAPIからフォントを列挙した場合、呼び出す関数にもよるんですが日本語環境以外(?)では、既定で游ゴシックを見ることはできません。
「MS Pゴシック」や「MS P明朝」、「メイリオ」に代表される日本語環境でよく見るフォントもインストールされていますが、同様です。
どのタイミングで見れるようになるかというと、言語パックをインストールして初めてその環境向けのフォントが有効になるという仕組みです。
たとえば、日本語がシステムの既定の言語であれば、游ゴシックなどは初めから有効になります。
この仕様については、Windows 7 Windows の国際化とフォントと Windows 7 での仕様変更と開発者向け TIPS TechNet が分かりやすくていいかと思います。